改正建設業法が、令和7年12月12日に全面施行されました。この改正で、建設工事の請負契約では、適正な労務費が確保されるように、見積りや契約のルールが見直されています。下請業者が、見積書で今から見直しておきたいことを整理します。
目次
改正のポイント
改正建設業法は、令和6年6月に公布され、段階的に施行されました。見積りや契約に関わる主な項目は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 | 施行日 |
|---|---|---|
| 著しく低い労務費等による見積りや契約の禁止 | 労務費の基準を著しく下回る見積りや契約が禁止される | 令和6年12月13日(施行済み) |
| 労務費に関する基準の勧告 | 中央建設業審議会が、基準を作成して勧告する | 令和7年12月に勧告 |
| 改正法の全面施行 | 改正の各項目が出そろう | 令和7年12月12日 |
見積りや契約に関する規定の多くは、令和6年12月13日から、すでに施行されています。
労務費に関する基準とは
中央建設業審議会が、令和7年12月に作成し、勧告しました。適正な労務費の目安を示すもので、考え方は、次のとおりです。
- 公共工事設計労務単価に、歩掛かりを掛けて、「単位施工量当たりの労務費」を計算する
- 単位施工量当たりの労務費に、施工量を掛けた額が、適正な労務費に相当する
- 技能者の職種ごとに、1t、1m²の作業当たりいくら、という金額で示す
中小事業者や一人親方でも使いやすいように、細かく分けすぎない形になっています。契約交渉のときの相場観として使われ、行政が指導や監督をするときの参考にもされます。
標準見積書とは
標準見積書は、労務費、法定福利費、安全衛生経費を、内訳として明示した見積書です。内訳を明示することで、労務費が、他の費用に混ざって削られることを防ぐ狙いがあります。
- 労務費、材料費、法定福利費、安全衛生経費を、分けて記載する
- 一式でまとめず、工事の種類ごとに、内訳を示す
守られなかった場合
基準を著しく下回る見積りや契約は、禁止されています。違反した発注者に対しては、勧告や公表が行われます。見積りを提出する受注者側にも、指導や監督の対象になることがあります。基準を少し下回ったからといって、直ちに違法になるわけではありませんが、「著しく低い」場合は問題になります。
下請業者が見積書で見直すこと
- 見積書の様式を見直す。 労務費、法定福利費、安全衛生経費を、分けて記載できる様式にします。
- 自社の労務費を、基準と比べる。 職種ごとの単位施工量当たりの労務費を、基準と見比べます。
- 根拠を残す。 見積りの算定の根拠(歩掛かりや、労務単価)を、書類にして残します。
- 元請との交渉に備える。 内訳を示して、労務費の削減の要請には、根拠を示して説明します。
- 技能者の処遇とつなげる。 技能者に賃金として支払われる原資になることを、社内でも共有します。
まとめ
- 改正建設業法は、令和7年12月12日に全面施行されました。
- 労務費の基準は、公共工事設計労務単価に歩掛かりを掛けて計算する考え方です。
- 基準を著しく下回る見積りや契約は禁止されています。見積書では、労務費などの内訳を明示しましょう。
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※本記事は令和8年10月16日時点の情報です。最新の取扱いは、国土交通省の案内でご確認ください。
参考:国土交通省「中央建設業審議会 労務費に関する基準」、国土交通省「改正建設業法 労務費の基準 説明会」


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