主任技術者・監理技術者の専任が必要な工事|4,500万円の基準と兼任できる特例を徹底解説

主任・監理技術者の専任と兼任

現場に置く主任技術者や監理技術者は、一定の工事では「専任」が求められます。この記事では、専任が必要になる請負代金の基準と、令和6年12月から使えるようになった、条件つきで複数の現場を兼任できる特例を解説します。現場の技術者の配置に悩む建設業者の方に向けた内容です。

目次

主任技術者・監理技術者と「専任」とは

建設工事の現場には、施工の技術上の管理をする技術者を置く必要があります。これが主任技術者です。元請として下請に出す金額が大きい工事では、より高い要件の監理技術者を置きます。

「専任」とは、その現場の仕事に専ら従事し、ほかの現場と兼ねないことをいいます。原則として、専任が必要な工事では、技術者は1つの現場にしか就けません。

専任が必要になる工事と金額

国土交通省の資料によると、専任が必要なのは、公共性のある施設や工作物、または多数の人が利用する施設や工作物の重要な工事で、請負代金が一定額以上の場合です。下請工事も対象になります。

時期専任が必要な請負代金
令和7年1月31日まで4,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)
令和7年2月1日から4,500万円以上(建築一式工事は9,000万円以上)

請負代金が4,500万円(建築一式は9,000万円)未満の工事では、専任は求められません。その職務を誠実に行える範囲で、複数の現場を兼ねることができます。

特定建設業の許可が必要になる金額の基準については、当サイトの特定建設業許可が必要になる金額の記事で解説しています。

兼任できる特例(専任特例1号)

令和6年12月13日から、監理技術者や主任技術者が、専任が必要な現場を兼任できる特例が始まりました。国土交通省の資料では、主な条件は次のとおりです。

  1. 請負代金が1億円未満であること(建築一式工事は2億円未満)。工事の途中でこの金額に達した場合は、それ以降は専任が必要です。
  2. 兼任する現場は、専任が不要な現場を含めて2現場以下であること。
  3. 現場間を1日の勤務時間内に巡回でき、片道の移動時間がおおむね2時間以内であること。
  4. 元請からの下請契約が3次までであること。
  5. 各工事に、技術者との連絡を行う連絡員を置くこと。
  6. 作業員の入退場などを遠隔で確認できるICTを使うこと(建設キャリアアップシステムとの連携が望ましいとされています)。
  7. 現場以外から映像と音声をやり取りできる情報通信機器を設置し、通信環境を確保すること。
  8. 人員配置計画書を作り、現場に備え、営業所で保存すること。

条件が多いため、使う前に国土交通省の資料で全体を確認してください。現場に掲げる標識にも、専任でない旨を記載する扱いが示されています。

監理技術者補佐を置く場合の兼任

もうひとつの方法が、監理技術者補佐を置く方法です。各工事に監理技術者補佐を専任で置けば、同じ監理技術者が2つの現場まで兼任できます。この制度は、主任技術者には使えません。また、専任特例1号と同じ人物で併用することはできません。

監理技術者補佐とは、一定の資格を持ち、監理技術者を補佐する人のことです。

営業所技術者等が現場を兼ねる場合

営業所技術者等(旧 専任技術者)は、営業所に常勤することが原則です。ただし、令和6年12月13日から、一定の条件を満たせば、専任が必要な工事の主任技術者や監理技術者を兼ねることができます。

国土交通省の資料では、主な違いは次のとおりです。

  • 兼ねられる現場は1現場のみです。
  • 契約を結んだ営業所の工事であることが必要です。
  • 距離は、営業所から工事現場までで判断します。
  • 専任特例1号との併用はできません。

兼任するときの注意点

  • 契約前に、請負代金や下請次数が条件に合うかを確認しましょう。
  • 施行日の時点ですでに行っている工事の扱いは、国土交通省の事務連絡で示されています。
  • 発注者や自治体によっては、独自の運用を定めている場合があります。発注者に確認しておくと安心です。

岐阜県の建設業者の具体例

たとえば、岐阜県内の建設会社が、市町の公共工事を2件請け負っているとします。それぞれの請負代金が4,500万円以上で、公共性のある重要な工事なら、原則はどちらの現場にも専任の技術者が必要です。この場合、請負代金が1億円未満で、連絡員やICTなどの条件がそろえば、同じ技術者が2現場を兼任できる場合があります。

兼任を考えるときのチェックリスト

  1. 請負代金が、1億円未満(建築一式は2億円未満)か確認する。
  2. 現場間の片道の移動時間が、おおむね2時間以内か確認する。
  3. 下請契約が3次までか確認する。
  4. 連絡員を置けるか確認する。
  5. 入退場を遠隔で確認できるICTと、映像・音声の機器を用意できるか確認する。
  6. 人員配置計画書を作成し、現場に備える。

よくある質問

Q. 4,500万円未満の工事でも、専任は必要ですか。

A. 国土交通省の資料では、請負代金が4,500万円(建築一式は9,000万円)未満の工事では、専任は求められません。

まとめ

  • 専任が必要な請負代金は、令和7年2月1日から4,500万円以上(建築一式は9,000万円以上)です。
  • 令和6年12月13日から、請負代金1億円未満(建築一式は2億円未満)などの条件で、専任の現場を2現場まで兼任できます。
  • 監理技術者補佐を専任で置けば、監理技術者は2現場まで兼任できます。
  • 営業所技術者等が現場を兼ねる場合は、1現場までで、別の条件があります。

当事務所では、岐阜県の建設業許可をはじめとする各種の申請をサポートしています。お気軽にご相談ください。

※本記事は令和8年10月26日時点の情報です。最新の取扱いは、国土交通省・岐阜県の案内でご確認ください。

参考

  • 国土交通省「監理技術者等の専任義務の合理化・営業所技術者等の職務の特例」:https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/tochi_fudousan_kensetsugyo_const_tk1_000001_00038.html
  • 国土交通省「専任の監理技術者等の兼任・営業所技術者等の職務の特例(制度概要)」:https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001854111.pdf
  • 国土交通省「建設業の各種金額要件や技術検定の受検手数料を見直します」:https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo13_hh_000001_00267.html
  • 国土交通省関東地方整備局「建設工事の適正な施工を確保するための建設業法(令和8.2版)」:https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000699485.pdf
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